本来、首の頚椎は前方向に向かってゆるやかにカーブしています。
専門的には前彎(ぜんわん)と呼ぶそうですが、頚椎はこのゆるたかなカーブをクッションのように利用することにより、重い頭を受け止めているわけです。
また頚椎にこのカーブがあると、頭の位置が自然に後方におかれ、頭の位置を背骨の真上に保つことができるようになっています。
ストレートネックとは、このゆるやかなカーブが失われた状態のことをいうのです。
このカーブが失われると、頚椎のクッション機能が低下して、頭の重みがじかに頚椎にかかることになります。
人の頭は体重の10%あり大変重たいので、このクッションの低下は非常に大きな荷重負担を首に与えることになります。
すなわち、重い頭を支えるプレッシャーに耐えかねて、頚椎関節や首の筋肉がどんどん疲労していくことになるわけです。
こうした疲労はまず肩や首のこりにあわられます。
肩や首こりを放っておくと、じわじわ症状が悪化して、肩が鉄板のように硬くなったり、首がうまく回らなくなったり、咳をしただけで首に痛みが走ったりするようになっていきます。
これらは頚椎が頭の重みにたえられなくなった悲鳴のようなものです。
また頚椎の関節にはとても多くの神経が通っているので、頭の重みで関節と関節の隙間が縮まってくると、神経が圧迫されて多くの症状があらわれます。
腕や手に向かう神経が圧迫されれば、手や腕がしびれるようになりますし、
頭へ向かう神経が圧迫されれば頭痛やめまいがしたり、顔がしびれるようになります。
さらに、自律神経が圧迫されると、自律神経失調症のような症状もでてきます。
このように頚椎カーブが失われてストレートネックになると、頭を支えきれなくなってきて、様々な不調がおきるのです。